洞神部(読み)どうしんぶ

世界大百科事典(旧版)内の洞神部の言及

【道教】より

…すなわち,この真道の教としての道教は,《老子想爾注》に〈一とは道なり……一は形を散じて気と為り,形を聚(あつ)めて太上老君と為る。今,道誡を布(し)いて人を教う〉とあるように,太上老君の道誡すなわち神格化された哲人老子の道教的な教誡が,その中心をなしているが,この太上老君の道誡がその中心をなしている道教経典は,《道教宗源》の〈凡例〉(《道蔵》正一部収載)にも〈洞神部は則ち十方の道師たる太上老君の出す所なり〉というように,〈三洞〉すなわち洞神,洞玄,洞真のうち,洞神部の経典群であり,道教経典の中では成立の時期が最も早く,したがってまた道教の神学教理全体の中でも基底的な,もしくは底辺部的な位置を占める。 以上を要するに《雲笈七籤》における道教は,古く道教ともよばれることのあった儒教や中国仏教,また道教としてのみずからを積極的に主張した墨子教団や天師道教団の教をそれぞれその内部に組み込んでおり,儒教や中国仏教を,かつての墨子教団や天師道教団もしくは南斉の顧歓《夷夏論》などのように対立的にとらえ,攻撃批判し排除する立場を取っていない。…

※「洞神部」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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