西在(読み)にしざい

世界大百科事典(旧版)内の西在の言及

【和人地】より

…蝦夷地との境には,西は熊石番所,東は亀田番所(1800年以降は山越内番所)を置き,出入アイヌ,和人の取締りを行った。また和人地は,城下町松前(福山)を中心に西部を西在,東部を東在と称したが,行政区域上は,城下町松前を中心にした原口村―知内村間,江差を中心にした熊石村―石崎村(または小砂子村)間,箱館を中心にした木古内村―石崎村(または小安―野田追間の地を含む地域)間の3地域に区分し,各々寺社・町奉行をはじめ檜山(江差)奉行,亀田(箱館)奉行が支配した。 ところで1821年(文政4)の松前氏の復領以降,蝦夷地,とりわけ西蝦夷地の各場所に定住する直接生産漁民がしだいに増加し,とくに55年(安政2)の後期幕領以降,幕府がこれら直接生産漁民や商工業者の蝦夷地への定住を積極的に奨励したのに加え,61年(文久元)の山越内番所での旅人改めの廃止,64年(元治元)のヤムクシナイ・オシャマンベの〈村並〉化や翌年の西蝦夷地ヲタルナイの〈村並〉化といった状況のなかで,〈和人地〉と〈蝦夷地〉という近世初頭以来の地域区分体制は著しく動揺するに至ったが,近世的な地域区分体制それ自体は幕末に至るまで否定されることはなかった。…

※「西在」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android