世界大百科事典(旧版)内の道具(骨董)の言及
【骨董】より
…明代の文人董其昌の《骨董十三説》に,骨董と呼ぶべきものとして金,玉,書画墨跡,石印,鐫刻(せんこく),窯器,漆器,琴,剣,鏡,硯(すずり)などがあげられており,日本で用いられてきた骨董の語もおおよそこの意味に沿いながら,日本的に変容されたものというべきであろう。 江戸時代には今日いう美術品の主流は茶道具(茶器)であり,一般にはもう少し雑多なものを含めて〈道具〉と呼ばれた。江戸時代後期から明治にかけて中国明・清の文人画や煎茶,また文人趣味が流行し,明治に入ってのち中国の古書,古碑の拓本などの史料や金属,石,玉等で作られた器物,彫刻などを愛玩する古玩趣味が生まれて,骨董の語が広く用いられ,道具と呼ばれていたものをも包含するようになった。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」