院ノ庄(読み)いんのしょう

世界大百科事典(旧版)内の院ノ庄の言及

【児島高徳】より

…児島高徳の人間像の根拠は,すべて《太平記》の叙述中に求められ,楠木正成や新田義貞らと同じく〈忠臣〉として皇国史観によって喧伝された。ことに元弘の乱のとき,山城の笠置に拠った後醍醐天皇が北条方に敗れて隠岐に移される途中,その身を奪いかえそうとして行列を追い,美作の院ノ庄の行在所(あんざいしよ)に潜入し,庭の桜の木に忠節を誓う一編の詩,〈天勾践(こうせん)を空(むな)しゅうする莫(なか)れ。時に范蠡(はんれい)無きにしも非(あら)ず〉を記しおいて天皇の胸をうったという挿話は,国定教科書をつうじて国民のあいだに浸透し,またそのことを歌いこめた《尋常小学唱歌》の唱歌《児島高徳》も広く愛唱された。…

【津山[市]】より

…岡山県北部,津山盆地とその周辺山地を占める市。1929年市制。人口9万1170(1995)。中心市街は吉井川の河畔,鶴山(かくざん)を背にする地にあり,古代に美作(みまさか)国の国府が置かれ,以後美作地方の中心をなしてきた。鎌倉時代には守護館が院庄(いんのしよう)に置かれたため,中心は一時西方に移った。近世には森氏が築城し城下町を整え,のち松平氏の支配に代わった。近世を通じて,盆地から四方に延びる街道と吉井川の高瀬舟水運の要衝であり,また盆地一帯の商業の中心でもあった。…

※「院ノ庄」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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