世界大百科事典(旧版)内の黒貴の酒の言及
【醸造】より
…環太平洋地域に広く分布していた口嚼酒(くちかみのさけ)は,穀物やいものデンプンを唾液(だえき)の酵素で糖化し発酵させたものであるが,これを嚙(か)むものは女性,とくに処女がえらばれている例が多い。平安初期に編纂(へんさん)された《延喜式》によれば,新嘗会(しんじようえ)の祭りに使われた白貴(しろき),黒貴(くろき)の酒は,舂稲仕女(つきしねのしによ)がその年の新穀を杵でついて仕込んでいる。室町時代まで女子が酒造に従事することが多かったが,女人禁制の寺社で酒がつくられるようになって,酒蔵は女人禁制という習慣が生まれたものと思われる。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」