世界大百科事典(旧版)内のānvīkṣikīの言及
【インド哲学】より
…インドの思想家たちは,人間存在やその拠り所としての世界に関する思弁・洞察をダルシャナdarśanaと呼んだが,この語は〈見(観)る〉を意味する動詞から派生した名詞であり,西洋およびインドの諸学者は,これをphilosophyと訳している。ダルシャナは聖典の権威によらず,理論的思索のみによって行う哲学的探求アーヌビークシキーānvīkṣikīをも包摂しているが,インドの思想家がダルシャナのなかに含めているのは,今日宗教と呼ばれている仏教,ジャイナ教,およびベーダーンタ哲学など,ヒンドゥー教の諸体系である。ダルシャナは哲学のみならず宗教というべき側面をももっており,インドにおいては宗教と哲学とは一体をなしていて不可分離の関係にあり,ダルシャナはヨーロッパ的意味での〈哲学〉や〈宗教〉という概念を逸脱している。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」