世界大百科事典(旧版)内のṛṣiの言及
【語常住論】より
…彼らによればベーダ聖典は神や人間の創り出したものではない。永遠の過去から存在するベーダ聖典が聖仙(リシṛṣi)たちの頭にひらめいた結果,この世に伝えられているのである。そして,世間で用いられる言葉は,すべてベーダ聖典の言葉をもとにしているのである。…
【サービトリー物語】より
…古代インドの叙事詩,《マハーバーラタ》中の挿話の一つナラ王物語と共につとに有名となった。《マハーバーラタ》第3巻277~283章(プーナ批判版)に収められ,7章297頌より成る。マドラ王,アシュバパティがサービトリー女神に願かけてもうけた娘サービトリー姫は,シャールバ国の盲王デュマットセーナの王子サトヤバットと婚約するが,聖仙(リシṛsi)たちは新郎が1年後死ぬであろうと予言して,彼を捨てるよう勧める。…
【仙人】より
…彼らはしばしば護法を使い,飛鉢譚(ひはつたん)を伴う行者としてあらわされており,後の天狗のイメージの形成にも関係があろう。【村下 重夫】
[インド]
サンスクリット語のリシṛṣiが仙人にあたり,〈詩聖〉〈聖仙〉とも訳される。今日伝えられているすべてのベーダの詩節は,人間などによって創作されたものではなく,無始以来永遠に存在してきたベーダを,太古の詩聖たちが,いわば神秘的霊感によって聞き取ったものだとされている。…
【ベーダ】より
…それらの多くは歴史とともに湮滅(いんめつ)し,現在まで伝えられているのはそのごく小部分にすぎないが,それでもなお複雑な文献組織を呈している。バラモン教においては,〈ベーダ〉は人間の手になるものではなく,神の啓示を聖仙(リシṛṣi)が神秘的霊感として感得したものと考えられ,〈シュルティśruti(天啓)〉と呼ばれる。これに対して,聖仙が自ら叙述したものとされる文献群として〈スムリティsmṛti(聖伝)〉があり,さまざまな種類の文献を含むが,〈ベーダ〉に関連したものとしてとくに重要であるのが〈ベーダーンガvedāṅga〉である。…
※「ṛṣi」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」