《とほうもない羊飼い》(読み)とほうもないひつじかい

世界大百科事典(旧版)内の《とほうもない羊飼い》の言及

【ソレル】より

…代表作は《フランシヨンこっけい物語》(1623‐33)で,若い貴族フランシヨンの遍歴を軸としながら,同時代の貴族,町民,農民さらには文士,娼婦,浮浪人,また法曹界や学校生活などが生き生きと描かれ,スカロンの《こっけい物語》,フュルティエールの《町民物語》とならんで,17世紀の風刺的写実小説の傑作とされているが,そこにはまた同時代の社会の宗教的・道徳的・政治的基盤にたいする鋭い批判や自由な生命力の礼賛,情念の解放の称揚など自由思想家的色彩も見られる。ほかに《ドン・キホーテ》を模して当時流行の牧人小説のパロディを意図した“反小説”《とほうもない羊飼い》(1627‐28),金融業者を中心にパリの町民の風俗を克明に描いた《ポリヤンドル》(1648),文学・人文関係の著作に関する貴重な《フランス書誌》(1664)などがある。【赤木 昭三】。…

※「《とほうもない羊飼い》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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