《よき愛の書》(読み)よきあいのしょ

世界大百科事典(旧版)内の《よき愛の書》の言及

【スペイン文学】より

…13世紀になると〈メステル・デ・クレレシーアmester de clerecía〉と呼ばれる聖職者階級の文芸が盛んになるが,代表的作品は,現在にその名を知られる最初のスペイン詩人G.deベルセオの手になる,聖母マリア伝説を素材とした25編の物語詩集《聖母の奇跡》である。スペイン文学における個性的な批判精神の発露は,14世紀のフアン・ルイスの《よき愛の書》をもってその嚆矢(こうし)とする。著者自身の恋愛沙汰を主題にした韻文による自伝とも読めるこの作品は,風刺とユーモア,そして多義的な文体によって聖なるものと俗なるものがみごとに調和した大作で,中世ヨーロッパ文学の最高の達成のひとつとなっている。…

【ルイス】より

…14世紀スペインの歌物語《よき愛の書》の語り手で,作者と思われる人物。〈イータの首席司祭〉の職名で知られる。…

※「《よき愛の書》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android