《アールヤバティーヤ》(読み)あーるやばてぃーや

世界大百科事典(旧版)内の《アールヤバティーヤ》の言及

【アールヤバタ】より

…インド東部,ビハール州の州都パータリプトラ(現,パトナ)で活躍した天文・数学者。その著書《アールヤバティーヤ》(499)は,著者の確定できるインド最古の独立した精密科学書であり,インド古典天文学・数学の出発点となっている。この書は全4章121の二行詩から成る。…

【インド数学】より

…ユークリッドの《ストイケイア》の影響がインドではっきり認められるのは,カマラーカラの天文学書(1658)が最も早く,またサンスクリットへの翻訳はジャガンナータの《レーカーガニタ(線の数学)》(1730年代)が最初と思われる。 狭義のガニタに属する現存最古の文献は,アールヤバタ著《アールヤバティーヤ》(499)の一章をなす〈ガニタパーダ〉である。これは冒頭の帰命偈とそれに続く32詩節から成り,十進法位取り表記における各位の名称(1詩節),平方,開平方,立方,開立方の基本演算(4詩節),図形に関する数学(17詩節),数量に関する数学(11詩節)という構成になっている。…

【インド天文学】より

…インドではバビロニアの天文学は十分理解されず,主流になることもなかったが,興味深いことに,20世紀はじめまで南インドに伝えられていた〈バーキャ〉と呼ばれる一種の月の位置表はバビロニア天文学の理論と数値をそのまま踏襲している。499年にアールヤバタが著した《アールヤバティーヤ》によって数世紀にわたるギリシア天文学の吸収とインド化の時代は終わり,インド内部での独自の歴史が始まる。ただしインド天文学がギリシア系であるという場合注意しなければならないのは,そのギリシア的要素がプトレマイオス(後2世紀)によって完成されたものではなく,それ以前のものであるということである。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」