《オーギー・マーチの冒険》(読み)おーぎーまーちのぼうけん

世界大百科事典(旧版)内の《オーギー・マーチの冒険》の言及

【ベロー】より

…前述の処女長編も第2作《犠牲者》(1947)も,現代の庶民の都市生活を写実的に描きながら,前者では人間の〈自由〉の本質を,後者では被害者がそのまま加害者でもありうる人間関係の機微を鋭く追求して,アメリカ小説には珍しく思想性を表面に出した知的な肌合いの小説である。《オーギー・マーチの冒険》(1953)はまた一転して,主人公が饒舌体の語り口で波乱にみちた自分の半生を語るという結構をとり,シカゴの貧家に生まれた少年の自己探求の旅を軸に現代社会を活写したピカレスク風の長編。《その日をつかめ》(1956)では,成功者の父親から人間の屑と罵られる息子の現代の敗者ぶりを描きながら,いわゆる〈シュレミール(どじな奴)〉の救いの道が探求される。…

※「《オーギー・マーチの冒険》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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