《コルプス・ヘルメティクム》(読み)こるぷすへるめてぃくむ

世界大百科事典(旧版)内の《コルプス・ヘルメティクム》の言及

【ヘルメス思想】より

…秘教として受け継がれ,ヨーロッパおよびイスラム圏で占星術および錬金術の哲学として研究され,後者ではシーア派イスラム神学と結びついて展開した。とくにルネサンス時代にイタリアで《コルプス・ヘルメティクム》が翻訳刊行されて人々に大きな影響を与え,中でもコペルニクス,W.ギルバート,ケプラーなど近代科学の創始者たちに信奉されて近代科学成立の一つの契機となった。17世紀以後は公然化しなかったが,薔薇(ばら)十字団など秘密結社の中で受け継がれて技術者や芸術家の間に信奉者を見いだし,19世紀以降はロマン主義や象徴主義,シュルレアリスムなど主として文学,芸術において開花した。…

【ヘルメス文書】より

…古代のヘルメス文書は膨大な量に上ったらしく,20世紀中葉,上エジプトで発見されたナグ・ハマディ文書(ナグ・ハマディ)の一部もヘルメス文書である。今日に伝存しているのは全体の一部であり,それは(1)《コルプス・ヘルメティクム(ヘルメス選集)》や《アスクレピオス》などを含む哲学・宗教的作品,(2)占星術,(3)錬金術,(4)魔術作品その他に分類できる。原文はほとんどの場合ギリシア語であるが,現存するものにはそのラテン語訳(その他の翻訳)しかないことも少なくない。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」