《テンペスタ》(読み)てんぺすた

世界大百科事典(旧版)内の《テンペスタ》の言及

【ジョルジョーネ】より

…また,その詩情あふれる画面の雰囲気は,ベネチア派独特の自然への感受性の最良の成果であると同時に,15世紀末から16世紀初頭にかけて高度の円熟期を迎えていたベネチアの人文主義的文化(P.ベンボの《アーゾロの人々》や,フランチェスコ・コロンナの《ポリフィルスの狂恋夢》などの文芸作品に代表される)の深い感化を示すものとされる。 今日,学者が彼の真作として一致して認めている作品は,フォンダコ・デイ・テデスキのためのフレスコの残欠,《ユディト》(エルミタージュ美術館),《フランチェスコとリベラーレのいる聖母子》(カステルフランコ大聖堂),《ラウラ》(ウィーン美術史美術館),《眠れるビーナス》(ドレスデン国立絵画館),いわゆる《テンペスタ(嵐)》(ベネチア,アカデミア美術館)などである。最高の名作とされる《テンペスタ》は,その主題に関して宗教画(アダムとイブ),神話画(バッカスの幼年時代),風俗画,無主題の風景画,寓意画(永遠性と時間性など)など,きわめて多くの説があり,この論議はまだ定説を得ていない。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」