《ハリバンシャ》(読み)はりばんしゃ

世界大百科事典(旧版)内の《ハリバンシャ》の言及

【三神一体】より

…ヒンドゥー教の教理のひとつで,ブラフマー神(梵天)とビシュヌ神とシバ神は,実は同一神,ないし宇宙の最高原理の別名にほかならないということを意味する。大叙事詩《マハーバーラタ》の補遺としての性格をもつ《ハリ・バンシャ》に,すでに,ビシュヌ神とシバ神は同一であるとの見方が説かれているが,プラーナ文献にいたって,ブラフマー神を加えた三神が同一であることが表明されるようになった。つまり,宇宙の最高原理が,ブラフマー神として世界を創造し,ビシュヌ神としてそれを維持し,シバ神としてそれを破壊する,というのである。…

【ビシュヌ派】より

…この派の存在は,前5~前4世紀以降の文献などによって確かめられるが,その教義がまとまった形をとったのは,叙事詩《マハーバーラタ》の一部に組み込まれている《バガバッドギーター》においてである。また,この派に関連の深い文献としては,《マハーバーラタ》の付編として扱われている《ハリバンシャ》,および《ビシュヌ・プラーナ》《バーガバタ・プラーナ》などのプラーナなどがある。この派の神学はベーダーンタ派の哲学に基礎づけられることが多く,その神学別に,さらにマドバ派,ビシュヌスバーミン派,ニンバールカ派,バッラバ派,チャイタニヤ派などの支派が分岐した。…

【マハーバーラタ】より

…《ラーマーヤナ》とともにインドの国民的叙事詩となっている。18巻より成り,補遺《ハリバンシャHarivaṃśa》を含めると10万頌(頌とは16音節2行の詩)を数え,古今東西にわたりこれほど長大な叙事詩は他に例をみない。伝説によるとビヤーサという仙人が5人の弟子に伝え,その一人であるバイシャンパーヤナがジャナメージャヤ王の催した蛇退治の祭祀のおりに初めてこれを唱えたといわれている。…

※「《ハリバンシャ》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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