《プラネタリウム》(読み)ぷらねたりうむ

世界大百科事典(旧版)内の《プラネタリウム》の言及

【サロート】より

…《マルトロー》(1953)などの一見心理主義と見える作風は,中産階級の客間での浮薄なやりとりの風刺にすぎないようであるが,意識下の牽引,反発,接近願望,嫌悪などの交錯が,あたかも輪郭のおぼろな内面に懸濁し散乱する微粒子の不随意的な運動としてとらえられ,深部の実存のありようを形象化してみせている。この方法は《プラネタリウム》(1959)で画期的な成功を収め,《黄金の果実》(1963)で国際出版社賞を得た。劇作もある。…

【心理小説】より

…それは対象から独立した意識は存在せず,〈自転車の意識とは自転車のイメージである〉というフッサールの現象学とも符合する。とはいえ,今なお,作中人物の心理分析に関心を集中しているN.サロートや中村真一郎のような作家も健在で,ことに前者の《プラネタリウム》(1959)は,意識と無意識の相互干渉を解説せずに具象化した,現代に可能な唯一の心理小説と見なせよう。【平岡 篤頼】。…

※「《プラネタリウム》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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