世界大百科事典(旧版)内の《ミロのビーナス》の言及
【アフロディテ】より
…美術では,プラクシテレス作の《クニドスのアフロディテ》(前350ころ)が古代に最も高い評価を得た彫刻であったが,ローマ時代の模刻しか伝わらない。1820年にメロス島で発見されたアフロディテ像《ミロのビーナス》は,ヘレニズム期の傑作としてあまりにも有名。ビーナス【水谷 智洋】。…
【ビーナス】より
…この名の語源は明らかでないが,〈泡〉を意味するギリシア語〈アフロスaphros〉に由来するとの民間語源説から,海の波間から生まれるビーナス=アフロディテという新たな神話が生じた。アフロディテ像はしばしば現実の美女をモデルにして制作され,〈ミロのビーナス〉をはじめとする多くのビーナス像がギリシア彫刻あるいはローマ時代の模作によって今日に伝えられた。アフロディテに関する神話の一つは〈アドニス神話〉で,メソポタミアの〈タンムズ神話〉の変形とみなされる。…
【ミロス[島]】より
…前7世紀以来彫刻の制作および窯業が盛んに行われ,アルカイク時代のクーロス像,独特の装飾をもつ大型の壺,いわゆる〈メロスのアンフォラ〉,前5世紀に大量につくられた素焼の浮彫板は,ギリシア美術史の中で特異な地位を占めている。1820年に発見されたアフロディテ大理石像,いわゆる《ミロのビーナス》(前2世紀。ルーブル美術館)は,ヘレニズム時代の同島における彫刻活動を伝えるもの。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」