《ルカノール伯爵》(読み)るかのーるはくしゃく

世界大百科事典(旧版)内の《ルカノール伯爵》の言及

【スペイン文学】より

…散文の分野で傑出しているのは,学術文芸の保護者でもあった賢王アルフォンソ10世で,彼の《シエテ・パルティダス(七部法典)》や《総合年代記》などにより,スペイン語の散文は長足の進歩をとげることになった。また賢王の甥にあたる貴公子ドン・フアン・マヌエルの《ルカノール伯爵》は,ボッカッチョの《デカメロン》とともに後のヨーロッパ文学に多くの素材を提供した作品であるが,何よりもドン・フアン・マヌエルは審美的効果を意識して独自の文体を確立した最初の作家として重要である。
【15世紀――ルネサンスに向けて】
 15世紀の後半にはイタリア・ルネサンスの影響が見られるようになり,宮廷詩人のサンティリャナ侯爵Marqués de Santillana,つまりイニゴ・ロペス・デ・メンドサIñigo López de Mendoza(1398‐1458)やホルヘ・マンリーケによって繊細な抒情詩が書かれたが,なかでも後者の《父の死によせる歌》は世界文学における悲歌の傑作として,ミルトンの《リシダス》やテニソンの《イン・メモリアム》と並び称されている。…

【フアン・マヌエル】より

…スペインの散文作家。スペイン中世最大の学芸の庇護者である賢王アルフォンソ10世の甥で,文武両道をよくする宮廷人であったが,代表作《ルカノール伯爵Conde Lucanor》(1335)によって不朽の名声を得ている。この作品は若いルカノール伯爵が養育係のパトロニオに人生万般について教えを乞い,パトロニオがさまざまな寓話をまじえながら道徳的訓戒を与えるという形式をとった51話からなる説話集であり,その13年後に書かれたボッカッチョの《デカメロン》とともに後のヨーロッパ文学に多くの素材を提供した。…

※「《ルカノール伯爵》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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