《ロープ》(読み)ろーぷ

世界大百科事典(旧版)内の《ロープ》の言及

【スリラー映画】より

… いわゆる〈セミ・ドキュメンタリー〉の手法を用いたスリラー映画も流行し,FBIの記録にもとづく《Gメン対間諜》(1945),実際の殺人事件を描いた《影なき殺人》(1947),集団脱獄事件を描いた《真昼の暴動》(1947),殺人犯の追跡を描いた《裸の町》(1948),FBIの記録による《情無用の街》(1948)などがつくられ,ルイ・ド・ロシュモントLouis de Rochemont(1899‐1978)のセミ・ドキュメンタリー・スタイルのニュース映画《ザ・マーチ・オブ・タイム》(1935‐51)に示唆されたといわれるこれらの映画の傾向は〈ニュー・リアリズム〉ともよばれた。そしてヒッチコックは,展開される物語の時間と映画そのものの時間が一致する《ロープ》(1948)で,それまでの映画のつくり方の常識をひっくり返して全編をワン・カットで撮るという未曾有の実験を試み,スリラー映画流行の一つの頂点を示した。 テレビジョンの脅威にさらされて映画がワイド・スクリーンとカラーの時代を迎えた1950年代は,小さいモノクロのスクリーンになじんできたスリラー映画にとって,ある意味では試行錯誤の時代でもあったが,作家たちはいわばその卑屈なまでの暗い心情から,マッカーシー時代と冷戦下の政治的に緊張した雰囲気に結びついた《拾った女》(サミュエル・フラー監督,1953),《復讐は俺に任せろ》(フリッツ・ラング監督,1954),《キッスで殺せ》(ロバート・アルドリッチ監督,1955)などの傑作を生んだ。…

※「《ロープ》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

ぐんまちゃん

群馬県のマスコットキャラクター。人間だと7歳ぐらいのポニーとの設定。1994年の第3回全国知的障害者スポーツ大会(ゆうあいピック群馬大会)で「ゆうまちゃん」として誕生。2008年にぐんまちゃんに改名...

ぐんまちゃんの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android