《乙女の悲劇》(読み)おとめのひげき

世界大百科事典(旧版)内の《乙女の悲劇》の言及

【ボーモント】より

…《フィラスター》(1609ごろ)および《王にして王にあらず》(1611)はその代表作であるが,いずれの場合にも悲劇と喜劇の融和は,スリルに富んだ場面効果を積み重ねて観客の緊張を極度に盛り上げたのち,大詰めで突然の逆転によってその緊張を緩め,観客に人為的な解放感を与えることによって達成される。《乙女の悲劇》(1611ごろ)をはじめとする悲劇では,極限に近い状況の中で絶望的な二者択一を迫られて苦悶する人物たちの悲哀に満ちた姿を刺激的に描くことに重点がおかれている。なおボーモントはその晩年,当時流行していた仮面劇を宮廷での余興用に書いている。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」