世界大百科事典(旧版)内の《冷血》の言及
【カポーティ】より
…つづいて,初期の作品を集めた短編集《夜の樹》(1949),第2の長編《草の竪琴》(1951)とやつぎばやに発表したが,このころからゴシック調は希薄となり,《ティファニーで朝食を》(1958)になると,都会女性の心理劇が展開する。ひじょうに多才で,小説のほかに旅行記や映画台本なども書いているが,1966年には実際に起こった殺人事件を克明に取材した《冷血》を発表,ノンフィクション・ノベル流行の先鞭をつけた。【大橋 吉之輔】。…
【ノンフィクション】より
…しかし事実の意味も多義的なものであり,絶えず読み直されるものである。アメリカの作家T.カポーティは,実際に起きた一家4人皆殺し事件を,犯人をはじめ事件の関係者からのインタビューをもとに《冷血》(1966)に仕立て,〈ノンフィクション・ノベルnonfiction novel〉の語を定着させた。また,A.ヘーリーは自分の祖先を探し求めた作品《ルーツ》(1976)を〈ファクションfaction〉(factとfictionの合成語)と呼んだ。…
※「《冷血》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」