《動物誌》(読み)どうぶつし

世界大百科事典(旧版)内の《動物誌》の言及

【ゲスナー】より

…みずから描いた1500もの図を載せた《植物学大全Opera botanica》全2巻(1551‐71)では植物の類縁関係が花と果実の精確な描写をもとに探られており,K.vonリンネに影響を与えた。また,大著《動物誌Historia animalium》全5巻(1551‐87)は中世の教訓的動物記から近代の動物学書への過渡期を飾るもので,当時知られていたすべての事項を網羅的に叙述しようとする一方,実際の観察事実を重視する立場で記述された動物の外部体制,所在,習性,解剖学的特徴が当代一流の画家の手になる写実的な図とともにまとめられている。また,古典語にも詳しく,《図書総覧》全4巻(1545‐55)を編集,出版した。…

【生物学】より


[博物学の革新]
 ルネサンス期になって自然が見直され,また大航海時代以来,ヨーロッパ以外の世界の生物やその産物である香料,絹などへの知的,実利的な関心がかきたてられ,知識が蓄積されていくことを通じて,新たな動きの発端が与えられた。最初の本格的な動物図譜はC.vonゲスナーの《動物誌》(1581‐87)であり,一角獣などの架空の生物もまだ混在したが,キリンやサイの絵がほぼ正しく描かれている。解剖学と生理学での実証の気運も高まって,ベサリウスの《人体の構造》(1543)とか,やや遅れてW.ハーベーの《血液循環の原理》(1628)が刊行された。…

※「《動物誌》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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