《包公案》(読み)ほうこうあん

世界大百科事典(旧版)内の《包公案》の言及

【灰闌記】より

…怠惰ながら率直で善良な妾の兄をからませて,庶民の真実をこまかに描いた傑作。そのクライマックスには,石灰で描いた枠内でふたりの母に幼児を争奪させ,先に手を放したほうを実母と認める著名な場をおくが,これは古くから世界の数ヵ国の説話にみられ,この劇ないし講釈にもとづく小説《包公案》を通じて日本にも輸入され,大岡政談中に採り入れられている。【田中 謙二】。…

【公案】より

…中国において,公の案つまり公府が是非を判断した案牘(あんとく),争論中の事件や裁判の文書を意味し,のちには裁判物語を指す。その代表的な作品は,宋代の名裁判官として名高い包拯を主人公にした明代の小説《竜図公案》10巻で《包公案》《竜公案》ともよばれる。もともと《元雑劇》400余本のうち,公案故事に題材をとるものは10%をこえ,とくに包拯を主人公にするのが多かったが,《竜図公案》では,《元雑劇》をはじめ,民間伝説などに題材をもとめつつ,主人公をすべて包拯に仮託したものである。…

※「《包公案》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android