《医学としての水俣病》(読み)いがくとしてのみなまたびょう

世界大百科事典(旧版)内の《医学としての水俣病》の言及

【ドキュメンタリー映画】より

… 現在では,世界の各国で文化的・政治的・経済的事情に従って多種多様につくられている〈ドキュメンタリー〉の大部分はテレビジョンに吸収され,〈テレビ・ドキュメンタリー〉として新しい〈マス・メディア〉,映像による〈世論〉や〈ルポルタージュ〉に転換しつつある。こうした〈ドキュメンタリーの大衆化〉状況のなかで,なお純粋な苦しい自主上映運動をつづける日本のドキュメンタリー映画は,《医学としての水俣病》三部作(1975)の土本典昭と《ニッポン国・古屋敷村》(1982)の小川紳介において,一つの〈新たな視点〉をもちはじめたかにみえる。土本はその〈未知のドキュメンタリー〉を,〈(1)歴史的な尺度での人間への信頼,(2)映画人としての独立,(3)そして何より,科学をもって四囲のデータをかため,その科学を表現としての芸術に高める〉ことによってのみ到達しうるものと定義しつつみずからにその三つの絶対条件を課し,〈いわゆる通常TV局の客観的報道なるもの,Aの意見,Bの意見をならべるといったものと画然と区別されるファクターは,右の3点のほかに,両者ともに正負にせよ関係を持続しぬく覚悟であろう〉とその〈新しい映画方法論〉を表明している。…

※「《医学としての水俣病》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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