コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

放射冷却 ほうしゃれいきゃく radiational cooling

5件 の用語解説(放射冷却の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

放射冷却
ほうしゃれいきゃく
radiational cooling

地表面や大気層が熱を放射して冷却する現象。赤外放射による冷却。大気や地球の絶対温度は約 200~300Kの範囲内にあり,波長 3~100μm,最大強度の波長 10μmの放射線を出して冷却する。

本文は出典元の記述の一部を掲載しています。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

知恵蔵2015の解説

放射冷却

地表面の熱が放射により大気中に奪われ、気温が下がる現象。窪地では冷気がたまり、冷気湖ができる。晴天で風の弱い夜に起こり、霜(遅霜・初霜)が降りやすい。上層が暖かいという気温の逆転層が生じ、スモッグ(濃煙霧)や霧の原因ともなる。

(饒村曜 和歌山気象台長 / 宮澤清治 NHK放送用語委員会専門委員 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉の解説

ほうしゃ‐れいきゃく〔ハウシヤ‐〕【放射冷却】

晴れて風のない夜などに、地表面から熱が放出されて温度が下がり、地表近くの大地の気温も下がる現象。放射霧や遅霜、逆転層などの原因になる。

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

大辞林 第三版の解説

ほうしゃれいきゃく【放射冷却】

大気や地表面が赤外線放射の放出によって冷却する現象。天気予報解説などでは、地表面の冷却に伴う接地大気の気温の降下をいう。晴天無風の日の夜半から明け方にかけて著しい。

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

放射冷却
ほうしゃれいきゃく

主として気象(学)用語として、大気や地表面が熱放射によって冷却することをいう。一般にすべての物体は、それを構成する原子・分子の熱運動のため電磁波を放射し、その強度は温度が高いほど大きく、また温度が高くなるほど、エネルギーをおもに放出する電磁波の波長は短くなる。太陽表面は約6000K(ケルビン)の高温で、可視・近赤外域(波長0.3~3マイクロメートル)の電磁波を放射している。このことは日常体験から明らかであるが、一方、地球表面からは約300Kの温度に対応して、目には見えない遠赤外域(波長5~50マイクロメートル)の電磁波がつねに放射されている。このため地表面は、昼間は太陽からの放射(日射)を吸収して高温となるが、午後遅くなると地面からの放射のほうが大きくなってエネルギーが失われ温度が下がる。夜間は日射がないので地面は熱放射によって一方的に温度が下がり、地面に接した空気の気温も低くなる。このように放射冷却は毎日おこっているが、その程度は気象条件によって変わる。実は、大気中の水蒸気二酸化炭素などの気体成分も、地表面とは異なるが、限られた特定の波長の遠赤外線を上下に放射しており、したがって地表面からの全波長域にわたる熱放射(プランクの放射公式に従う黒体放射)と大気層からの下向き放射との差が放射冷却をおこしているのである。さらに雲層は地表面と同様に全波長にわたる黒体放射をしており、そのため曇天のときは夜間でも冷却は少なくなる。また風が強いと、冷えた地面近くの空気と、地面の冷却の影響を受けていない上空の空気との混合が激しくなり、気温低下は少ない。これらの条件のため、風が弱く晴れて乾燥した(水蒸気の少ない)夜に放射冷却が著しい。そして気温低下が大きいと水蒸気が飽和し、凝結によって霧が生じる。これを「放射霧」とよぶ。
 夜間の放射冷却のため地面近くの気温が下がり、上空より低温となって「逆転層」をつくることはしばしばみられるが、このようなときは上下の空気の混合が抑制され、地面起源の煙や汚染物質などが滞留しやすくなる。また、晩春の作物の生育初期に放射冷却のため顕著な低温がおこると、晩霜(おそじも)(八十八夜の別れ霜)のため被害(霜害)を生じることもある。[松野太郎]
『近藤純正著『地表面に近い大気の科学――理解と応用』(2000・東京大学出版会)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典内の放射冷却の言及

【大気圏再突入】より

…再突入時には非常に大きな速度で大気中を運動するために,空力加熱による温度の上昇がきわめて大きなものとなり(スペースシャトルでは,もっとも高温になる機首先端で1500℃ほどにもなる),なんらかの方法で機体を保護する必要がある。これには放射冷却とアブレーション冷却と呼ばれるものがある。前者は,機体表面から気体や液体を放出し冷却させる方法で,構造が複雑になる欠点がある。…

※「放射冷却」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

放射冷却の関連キーワード大気圏大気圧大気焔・大気焰天空光原始大気大気科学大気環流大気療法大気成岩コムストック大気差公式

今日のキーワード

トランスアジア航空

台湾・台北市に本拠を置く航空会社。中国語名は復興航空。1951年、台湾初の民間航空会社として設立。83年に台湾の国産実業グループに経営移管され、組織改編を実施した。92年に国際チャーター便の運航を始め...

続きを読む

コトバンク for iPhone

放射冷却の関連情報