《吉野都女楠》(読み)よしののみやこおんなくすのき

世界大百科事典(旧版)内の《吉野都女楠》の言及

【正本】より

…《今昔操(いまむかしあやつり)年代記》が〈あまつさへけいこ本八行を,四条小橋つぼやといへるに板行させ,浄るり本に謡のごとくフシ章をさしはじめしは此太夫ぞかし〉と記すのは,宇治加賀掾が1679年(延宝7)に出した《牛若千人切》を指す。1710年(宝永7)には竹本筑後掾(竹本義太夫)正本《吉野都女楠(よしののみやこおんなくすのき)》の七行本が刊行された。このほか,六行本,九行本,十行本,十一行本,十二行本,これらの行数の入りまじった本などの種類がある。…

【太平記物】より

…特に大塔宮,楠木正成,新田義貞ら南朝方の人物に関連のある事件を取り上げたものが多い。浄瑠璃では,1710年(宝永7)大坂竹本座の《吉野都女楠(よしののみやこおんなくすのき)》,14年(正徳4)秋以前竹本座の《相模入道千匹犬(さがみにゆうどうせんびきのいぬ)》などといった近松の作品を初めとする諸作のうち主要な人気曲としては,23年(享保8)2月竹本座の《大塔宮曦鎧(おおとうのみやあさひのよろい)》,46年(延享3)正月竹本座の《楠昔噺》,65年(明和2)2月竹本座の《蘭奢待新田系図(らんじやたいにつたけいず)》,70年正月江戸外記座の《神霊矢口渡(しんれいやぐちのわたし)》などがあげられよう。一方,歌舞伎でも,1699年(元禄12)正月大坂の音羽次郎三郎座の二の替り狂言《太平記》十番続,同三の替り《後醍醐天皇隠岐の配所》,1713年3月京都の亀屋座の《女楠》,同年11月江戸中村座の《女楠太平記》,27年11月同座《八陣太平記》以下,さまざまな作品が行われていたが,やはり上記の浄瑠璃諸曲を改作したものが好まれて繰り返し上演されている。…

※「《吉野都女楠》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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