《地上最大のショウ》(読み)ちじょうさいだいのしょう

世界大百科事典(旧版)内の《地上最大のショウ》の言及

【スペクタクル映画】より

…30年代には,経済的不況による製作費の削減で前半はふるわず,セックスと暴力のメロドラマ的《暴君ネロ》(1932),デミル監督の見せかけだけの歴史スペクタクル《クレオパトラ》(1934),《十字軍》(1935)などでお茶をにごした程度だったが,半ばころからはベストセラー小説の映画化が盛んになり,ハーベイ・アレン原作による《風雲児アドバース》(1936),ジェームズ・ヒルトン原作《失われた地平線》(1937),パール・バック原作《大地》(1937),マーガレット・ミッチェル原作《風と共に去りぬ》(1939),ルイス・ブロムフィールド原作《雨ぞ降る》(1939)などがつくられた。第2次大戦後も,一時スペクタクル映画はおとろえたかに見えたが,映画産業が不況にあえいだ40年代後期に戦後最初のスペクタクル映画であるデミル監督の《サムソンとデリラ》(1949)が大ヒットし,続いて同じデミル監督によるサーカスを舞台にしたスペクタクル映画《地上最大のショウ》(1952)とともにはじまった50年代にも,テレビに対抗して映画が大型化され,最初のシネマスコープ映画《聖衣》(1953)に引き続き,《プロディガル》(1955),デミル監督《十戒》(1956)などがワイド・スクリーンを計算にいれてつくられ,《ベン・ハー》(1959)が大ヒットした。 60年代には《エル・シド》(1961),《クレオパトラ》(1963),《ローマ帝国の滅亡》(1964)などのほか,戦争あるいは戦乱を題材にした《栄光への脱出》(1960),《史上最大の作戦》(1962),《ドクトル・ジバゴ》(1965),聖書をもとにした《キング・オブ・キングス》(1961),《偉大な生涯の物語》(1965),《天地創造》(1966),さらにSFスペクタクル《2001年宇宙の旅》(1968)などがつくられた。…

【デミル】より

…共和党の熱烈な支持者でもあったデミルは,30年代の後半から第2次大戦にかけて〈開拓精神とデモクラシーの高揚〉と自称する主題の娯楽大作を多くつくった(《大平原》1939,《征服されざる人々》1947,等々)。戦後もスペクタクル史劇のブームをよみがえらせた大作《サムソンとデリラ》(1949),サーカスの世界を一大スペクタクル絵巻に仕上げた《地上最大のショウ》(1952)などのヒット作を放ち,カラーで再映画化された《十戒》(1956)が最後の作品でありヒット作となった。ハリウッドはデミルとともに一つの時代を終えたといわれ,デミルその人が〈地上最大のショウ〉であったと評されている。…

※「《地上最大のショウ》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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