世界大百科事典(旧版)内の《地理的環境の影響》の言及
【センプル】より
…当時,地理学を体系立てて近代科学の一つに高め〈近代地理学の祖〉といわれたF.ラッツェルに師事し,人間活動に対する自然環境の影響について深い関心をもち,《アメリカ史とその地理的諸条件》(1903)のほか多くの研究を発表した。《地理的環境の影響》(1911)は,ラッツェルの思想に若干自分の考えを加えて英語で紹介したもので,ドイツ語を母国語とする人々にも難解な文と内容であるといわれていたラッツェルの《人類地理学》におけるいわゆる環境決定論の立場を明解に打ちだした功績は大きい。この本を書くため,交通機関の未発達な当時にもかかわらず広く世界各地を旅行し,実証的な調査・研究を行ったという。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」