《大いなる術》(読み)おおいなるじゅつ

世界大百科事典(旧版)内の《大いなる術》の言及

【ルルス】より

… 当時マリョルカやイタリアのユダヤ知識人の間で盛んだったカバラ,イスラムの医学や占星術,アウグスティヌス的新プラトン主義などの影響を受けたと考えられるルルスの思想は,伝統的なスコラ学の知を大きく超える包括性と普遍性を備えていた。その端的な表れが主著《大いなる術(アルス・マグナ)》(執筆1273‐74?)などで提示され,〈ルルスの術(アルス・マグナ・ライムンディars magna Raimundi)〉として知られた技法である。これは,彼によれば〈真理〉に至るための無謬の術であり,神の属性の顕現としての万象についての知を一元的に集成すること,すなわち普遍学の樹立を可能ならしめるものであった。…

【錬金術】より

…錬金術は,こうしてエジプトでは暗黒の死からよみがえる密儀宗教の最高神オシリスの神話に結びつき,オシリスは変幻の妙ある黒い金属,鉛と同一視された。錬金術は,一般に卑金属から貴金属が精製されていくプロセスを扱う〈大いなる術(オプス・マグヌムopus magnum)〉だといわれるが,卑金属としての鉛は,その変幻性とあいまってきわめて重要な神性をそなえた金属であった。ギリシア語のchymeia(金属溶融の術,合金術)が示すとおり,例えば鉛鉱石(実は銀を含んでいるもの)から灰吹法により白く輝く銀が流れ出してくるところから,自在な金属の転換を目ざす術が探求され,これがヘレニズム時代の宗教・哲学思想と結びついた。…

※「《大いなる術》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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