《大教授学》(読み)だいきょうじゅがく

世界大百科事典(旧版)内の《大教授学》の言及

【教育学】より

…まずW.ラトケが,F.ベーコンの事物観察,実験にもとづく帰納的方法の影響を受け,直観教授を重視し,教授の方法の確立をめざした。ついでJ.A.コメニウスが汎知主義に立って人類共通の知識を万人に教授する方法を探求し《大教授学Didactica magna》(1657)を著した。ヨーロッパではこの時代に生産方法の合理化がすすみ,教育においても合理的な教授の方法の確立が意識された。…

【コメニウス】より

…この観点から,すべての国の男女が同一の言語によって,階級差別のない単線型学校制度において学問のあらゆる分野を統合した万人に共通必須の普遍的知識の体系(パンソフィアpansophiaと彼は名づけた)を学ぶ必要を説き,みずからその体系化に精力を注ぐとともに,それを確実に身につけるための合自然の教育方法を追求した。主著《大教授学Didactica Magna》(最初チェコ語で書かれ,のちラテン語訳。刊行はラテン語版1657年,チェコ語版1849年)は世界最初の体系的教育学概論書といわれるが,教育方法理論の点では同時代のドイツの教授学者たちの業績を継承・発展したものとみてとれる。…

【直観教授】より

…それは教育が現実の世界に存在する事実や子どもたちの具体的な経験から離れ,抽象的な概念のつめこみや空理空論に流れたりする弊害を改めようという立場から唱えられた教育改革の主張でもあった。この主張は古代から存在するが,17世紀にJ.A.コメニウスがその主著《大教授学Didactica magna》においてその理念と方法を詳しく説いて以来,近代教育学の基本的な課題の一つとされてきた。なかでもJ.H.ペスタロッチは,概念の形成に先んじて直観を重視することを教育改革の基本とする理論や実践を深く追求し,その後の〈ペスタロッチ主義運動〉といわれる改革への努力も,具体的には直観教授のあり方を問うことをもって課題としたといってよい。…

【レクリエーション】より

… 教育のなかでの〈レクリエーション〉の位置づけは,17世紀の教育思想家コメニウスによってなされる。彼の《大教授学》は学習と休養(recreationes)との適正な配置をうたい,その後の学校の基本的な枠組みとなった。また,J.ロックは《教育に関する考察》(1693)のなかで,疲れをいやし,喜びやくつろぎを得る方法としてのレクリエーションを積極的に評価している。…

※「《大教授学》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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