《大転換》(読み)だいてんかん

世界大百科事典(旧版)内の《大転換》の言及

【経済人類学】より

…その一つはK.ポランニーによるものである。ポランニーは《大転換》(1944)およびその後の著作活動において,経済学が非市場社会にはまったく適用できないと主張するにとどまらず,市場社会についてすら既存の経済学では一面的にしか説明できないとして,経済学そのものを批判し,経済に関するより深く広いパースペクティブを経済人類学に求めた。市場社会でこそ経済領域は分離独立しており,その点が市場社会の歴史的特殊性をかたちづくっているが,一般には経済は社会のなかに埋めこまれており,経済生活を説明しうる理論的枠組みとしては,市場経済,非市場経済双方とも扱いうるものでなければならない。…

【社会化】より

…(2)市場の社会化 市場社会において市場の自己調整的作用の破壊的・攪乱的影響から社会を防衛するために,市場がさまざまな社会的措置にとりまかれるようになることをいう。K.ポランニー《大転換》(1957)に依拠した観点である。これによれば,自己調整的市場によって支配された社会は,19世紀以来,社会の実在としての人間,自然,生産組織の防衛を意図する〈社会〉の側からの絶えざる反撃を受け,しだいに市場の自己調整的機能は制限されるにいたった。…

【ポランニー】より

…さらに,非市場経済の精力的分析をとおして,市場経済の三要素とされる交易,貨幣,市場の起源を,それぞれ独立のものとして明らかにするとともに,人間の経済一般の主要な統合形態として互酬,再分配,交換の三つをあげて,概念化した。主著《大転換Great Transformation》(1944),《人間の経済》(遺稿集,1977)。【杉村 芳美】。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」