《山月記》(読み)さんげつき

世界大百科事典(旧版)内の《山月記》の言及

【トラ(虎)】より

…今も出没して人畜を襲うことがあるが,一方またその毛皮が珍重されるので,利害両面よりしてトラと人間との交渉を語る俗信や伝説も多い。例えば,中島敦の《山月記》の物語のように,人が突然に発狂して山中に入り,化してトラとなったという話は古くからあり,とくに西南の異民族間にこの伝承が多く,トラを勇猛無類のものとしてこれに変身することを願ったものか。またトラに食われた人の霊魂はトラの配下となって使役される,これを〈倀鬼(ちようき)〉または〈虎倀〉と称した。…

【中島敦】より

…持病の喘息悪化のため,転地療養を兼ねて41年パラオの南洋庁に赴任するが,健康を害して翌年帰京。唐代の伝奇《人虎伝》を素材にした《山月記》が深田久弥の推挽で42年2月の《文学界》に掲載されて文壇にデビュー。同年5月発表の《光と風と夢》も好評で以後創作に専念。…

※「《山月記》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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