《当龝八幡祭》(読み)できあきやわたまつり

世界大百科事典(旧版)内の《当龝八幡祭》の言及

【吾妻与次兵衛物】より

…清元の舞踊《嫁菜摘》は,1823年(文政6)正月江戸森田座の《初夢曾我宝入船》におけるお早・与兵衛の道行に使われたもの。4世鶴屋南北には,08年(文化5)正月江戸市村座の《春商恋山崎(はるあきないこいのやまざき)》,10年8月市村座の《当龝八幡祭(できあきやわたまつり)》など,この系統の作が多く,16年8月江戸河原崎座の《染替蝶桔梗(そめかえてちようにききよう)》のような《太功記》とからませたものまである。【向井 芳樹】。…

【鶴屋南北】より

…むしろ一貫して迫真的な市井風俗や下層民衆生活を描写する〈生世話(きぜわ)〉の追求,また当時の観客の嗜好でもあった残虐な殺し場やきわどい濡れ場の描出に力点をおき,劇的展開と,仕掛物や亡霊などによる怪奇趣味,あるいは奇抜な趣向によって異質なもの同士を結合させ,世界の複合性を構築してゆくドラマツルギーなどが大きな特徴であったといえよう。 前期の代表作としては,公卿が辻君となって春をひさぐ趣向が評判となった《四天王楓江戸粧(してんのうもみじのえどぐま)》(1804年11月河原崎座),小幡(こばた)小平次の怪談に皿屋敷と天竺徳兵衛の世界を綯交(ないま)ぜにし,松助が小平次,鉄山,おとわなどの役々を演じた《彩入御伽艸(いろえいりおとぎぞうし)》(1808年閏6月市村座),幸四郎が演じた〈馬盥(ばだらい)の光秀〉の《時桔梗出世請状(ときもききようしゆつせのうけじよう)》(1808年7月市村座),すでに好評を博した天竺徳兵衛を土台に阿国御前(松助)の怪談,累・与右衛門の早替り(栄三郎を3世菊五郎)を見せた《阿国御前化粧鏡(けしようのすがたみ)》(1809年6月森田座),本町糸屋の娘お房とお時(二役,半四郎)と本庄綱五郎(三津五郎),半時九郎兵衛(幸四郎),お祭左七(松助)らの活躍する《心謎解色糸(こころのなぞとけたいろいと)》(1810年1月市村座),白藤源太の書替えの世話狂言で釣鐘権助(幸四郎)が源太(三津五郎)に殺される《勝相撲浮名花触(かちずもううきなのはなぶれ)》(1810年3月市村座),善玉悪玉双方で18人ないし21人の登場人物が惨殺される返り討狂言で,幸四郎が左枝大学之助と立場の太平次という時代と世話の敵役を演じわけた《絵本合法衢(がつぽうがつじ)》(1810年5月市村座),風鈴蕎麦屋が娘を殺す双蝶々の書替狂言《当龝八幡祭(できあきやわたまつり)》(1810年8月市村座),また夏祭の書替えで,のちの四谷怪談の原型ともなった《謎帯一寸徳兵衛(なぞのおびちよつととくべえ)》(1811年7月市村座)などがある。この年7月に出された法令(狂言中府内地名の使用禁止,衣裳小道具法度,糊紅の使用禁止など)に抵触するところあってか,《謎帯》は興行を中絶した。…

【双蝶々曲輪日記】より

…歌舞伎では,同じ1749年8月に京の布袋屋梅之丞座で上演され,53年(宝暦3)5月に大坂三枡大五郎座(角の芝居),74年(安永3)9月に江戸中村座で上演され,いずれも好評を博した。書替狂言も多く,1808年(文化5)正月江戸市村座の《春商恋山崎(はるあきないこいのやまざき)》や10年8月市村座の《当龝八幡祭(できあきやわたまつり)》などがある。【向井 芳樹】。…

※「《当龝八幡祭》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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