世界大百科事典(旧版)内の《心の概念》の言及
【心】より
…その後,ヒステリーなどの神経症で,意識されていない心のなかの傾向に支配されて行動することがS.フロイトらにより確かめられ,こうした臨床観察や夢の分析を契機として心の範囲は無意識の分野にまで拡大され,同時に,エス(イド),自我,超自我といった層構造や,エディプス・コンプレクスなど各種の〈観念複合〉,投影(投射)や抑圧などの防衛機制がつぎつぎと見いだされた。こういう視点に立つかぎり,現代の心の概念はひじょうに複雑化しているといえるが,心という素朴な主観的イメージそのものは未開人と文明人とでそれほど違っているとも思えない。【宮本 忠雄】
【哲学における〈心〉の概念】
ここでは主として哲学の観点から〈心〉の概念の変遷と,この概念をめぐる今日の問題状況とを概観する。…
【ライル】より
…いわゆるオックスフォード日常言語学派の形成と発展に指導的な役割を果たした。主著《心の概念》(1949)では近世以来西欧の哲学の骨格であった心身二元論を〈デカルト神話〉あるいは〈機械のなかの幽霊の神話〉と呼んで徹底的に批判し,哲学書としては異例の大反響を呼んだ。プラトンを中心として古代ギリシア哲学にも造詣が深く,その方面の仕事でも知られている。…
※「《心の概念》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」