《心中鬼門角》(読み)しんじゅうきもんかど

世界大百科事典(旧版)内の《心中鬼門角》の言及

【お染久松物】より

…また,若い二人をめぐって展開される肉親たちのさまざまな言動にも,いかにも世話物らしい特色がうかがわれるものとなっている。最初の劇化は同月大坂荻野八重桐座の歌舞伎《心中鬼門角(しんじゆうきもんかど)》であるが,次いで歌祭文を通じて一般に流布され,やがて紀海音の浄瑠璃《お染久松袂の白しぼり》(同年4月以前,大坂豊竹座)に至ってその定型が確立した。その後,人形浄瑠璃では《染模様妹背門松(そめもよういもせのかどまつ)》や《新版歌祭文》,歌舞伎では《お染久松心中》《お染久松色読販(うきなのよみうり)》や《是評判(これはひようばん)浮名読売》等の諸作が繰り返し上演されている。…

【台帳】より

…のちには台本ともいう。歌舞伎が複雑な内容を持ち始めるにつれて,必要上から発生したもので,元禄(1688‐1704)ごろには存在したと思われるが,現存最古の台帳は,1710年(宝永7)大坂荻野八重桐座上演の,中田楮同作《心中鬼門角(しんじゆうきもんかど)》である。半紙を縦折りにして綴じた縦本と,横折りにして綴じた横長の横本があるが,縦本が通常である。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」