《日本感霊録》(読み)にほんかんりょうろく

世界大百科事典(旧版)内の《日本感霊録》の言及

【説話文学】より

…説経唱導の資として多数の証話が求められ,それがやがて説話集や説経集に結晶したわけで,平安時代には,折々の信仰の動向と布教上の実需を反映して,多様な作品が制作された。《日本霊異記》の系譜につながる《日本感霊録(にほんかんりようろく)》(850ころ),上流婦女子向けの仏教テキスト《三宝絵詞(さんぼうえことば)》(984),浄土信仰の盛行が生み出した《日本往生極楽記》(986ころ),法華経信仰の諸相と功徳を説いた《本朝法華験記》(1044)などは,いずれも歴史的意味をになう個性的作品である。基盤となった説経の資料としては,院政期の《法華修法一百座聞書抄》《打聞集(うちぎきしゆう)》などが注目される。…

【仏教説話集】より

…13世紀に鴨長明が遁世聖たちの話を集めた,漢字まじりの片仮名文の《発心集》などがその流れを汲んでいる。9世紀中ごろ僧義昭が編んだ漢文の《日本感霊録》は諸寺の霊験譚で,布教のための上からの啓蒙性が濃い。同世紀後半,漢学者慶滋保胤(よししげのやすたね)が書いた《日本往生極楽記》は,篤信者の臨終を描き,類型的に賛美した。…

※「《日本感霊録》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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