《早発痴呆または精神分裂病群》(読み)そうはつちほうまたはせいしんぶんれつびょうぐん

世界大百科事典(旧版)内の《早発痴呆または精神分裂病群》の言及

【精神分裂病】より

…またE.ヘッカーが1871年に思春期に始まって感情鈍麻や意欲減退を示しながら欠陥状態へと至る病像を〈破瓜病Hebephrenie〉と命名し,最後にE.クレペリンが1899年の彼の《精神医学教科書》第6版であとの二つをまとめ,これに〈妄想痴呆〉を加えて〈早発痴呆Dementia praecox〉と呼んだ。しかし,症例の観察を重ねていくと,普通の意味の〈痴呆〉が生ずるのでも,つねに青年期に始まるのでもなく,問題は精神機能の分裂にあることから,スイスのE.ブロイラーが〈精神分裂病Schizophrenie〉という新語を使いはじめ,主著《早発痴呆または精神分裂病群》(1911)を通じてこれが世界中へ広まった。 このように,分裂病が〈疾患〉として成立してから西欧ではまだ100年にも満たないが,東洋,とくに中国の医学には紀元前に早くも〈狂〉の概念が明確に打ち出され,これが一貫して受け継がれて,6,7世紀には日本にも伝えられた。…

【ブロイラー】より

…〈精神分裂病Schizophrenie〉という用語を初めて打ち出したスイスの精神医学者。チューリヒ大学で精神科の第3代主任教授を30年間つとめ,多方面に国際的名声を博したが,なかでも1911年刊行の主著《早発痴呆または精神分裂病群》は,E.クレペリンが経過や転帰のいかんに即して構成した疾病概念を心理学的な症状論にもとづいて組みかえたものとして,広く深い影響を及ぼした。しかし,それによって精神分裂病の範囲がかなり広まったことも否めない。…

※「《早発痴呆または精神分裂病群》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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