《歴史と階級意識》(読み)れきしとかいきゅういしき

世界大百科事典(旧版)内の《歴史と階級意識》の言及

【物象化】より

…〈物化Verdinglichung〉ないし〈物象化〉という概念は,マルクス以後,彼とは独立に,G.ジンメル,H.リッケルト,M.ウェーバーなどにおいても用いられている。マルクスの場合,この概念は,後継者たちにおいて永らく忘れられていたが,G.ルカーチ,わけてもその著《歴史と階級意識》(1923)によって復活され,マルクスの基本的概念装置として有名になった。ルカーチがこの概念を復活させえたのは,彼のよく知っていたジンメル,リッケルト,ウェーバーの用語法を媒介にしてのことと思われるのだが,この経緯がルカーチ流の物象化概念とマルクス本来の物象化概念とのあいだにずれを生じさせ,そのことがまた,マルクスの物象化概念の理解に一定の混乱をもたらすゆえんともなった。…

【ルカーチ】より

…ハンガリー革命に当たってブダペストに帰り,革新的知識人のリーダーとして文化革新運動に挺身,1918年にはハンガリー共産党に入党して,クン・ベーラ政権の教育文化相となるが,挫折後ウィーン,ベルリン等に亡命。この間,批判的マルクス主義の記念碑的名著といわれる《歴史と階級意識Geschichte und Klassenbewusstsein》(1923)を著す。これはマルクスの疎外論の動機を再発見するとともに,マルクス主義を西欧哲学の中心概念によって基礎づける画期的なものであったが,党の正統派からは修正主義として非難を浴びた。…

※「《歴史と階級意識》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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