《母国トルコ》(読み)ぼこくとるこ

世界大百科事典(旧版)内の《母国トルコ》の言及

【トゥラン主義】より

…ツァーリズム支配を脱する目的で,19世紀後半,ロシア治下のトルコ系住民の間に生まれたトゥラン主義は,〈青年トルコ〉革命後,オスマン帝国内にもちこまれた。《母国トルコTürk yurdu》誌を中心に繰り広げられたこの運動は,初めトルコ民族の統一のほかに,オスマン主義と同様にオスマン帝国の再建という異なる目的をも内にはらんでいたが,しだいにエンウェル・パシャの海外膨張策とも結びついて,前者の色彩が濃厚になっていった。トルコ共和国の成立によって,ナショナリズムが共和国の枠内に限定された後は,極右思想として生き延びているにすぎないが,オスマン帝国からトルコ共和国への移行期に,ナショナリズムの理念を提供したトゥラン主義およびトゥラン主義者の役割は大きい。…

【トルコ学】より

… トルコ人によるトルコ学研究は,その起源を11世紀のマフムード・カシュガリーによる《チュルク語辞典(チュルク語語彙集)》にまでさかのぼることができるが,19世紀末の民族主義思想の発展とともに,その担い手であるジヤ・ギョカルプらによって確立された。1908年の〈青年トルコ〉革命後発行された《母国トルコ》誌を通じて活動したアクチュラ,アフメト・アーオウルAhmet Ağaoğlu(1869‐1939)ら,中央アジアから亡命したトルコ人の役割が大きかった。歴史学の分野では,ギボンズに代表されるヨーロッパ歴史学界におけるオスマン帝国の〈ネオ・ビザンティン帝国〉論に対する反論を通じて,ファト・キョプリュリュFuat Köprülü(1890‐1965)やトガンらによってトルコにおける近代歴史学の基礎がつくられた。…

※「《母国トルコ》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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