《民法出デテ忠孝亡ブ》(読み)みんぽういでてちゅうこうほろぶ

世界大百科事典(旧版)内の《民法出デテ忠孝亡ブ》の言及

【法典論争】より

…折しも,実業界では商法の実施可否について延期を主張する東京商工会と断行を主張する大阪商法会議所などを中心に論争が起こり,90年11月に開かれた第1帝国議会に実業界から《商法実施延期請願書》が提出されると,これをうけて衆議院・貴族院の両議院は,91年1月1日から施行予定の商法も民法と同じく93年1月1日から施行することに決定した。これをきっかけに延期派は勢いをえて,論争は一段と激しさを増すことになったが,こうした状況の中で,延期派に属する穂積八束は《民法出デテ忠孝亡ブ》(《法学新報》第5号)と題する論文を発表し,日本固有の家父長制的家族制度を美俗ととらえ,近代的家族法原理を批判した。この論文は〈群集心理を支配するに偉大なる効力〉(穂積陳重《法窓夜話》)を発揮し,論争に多大の影響を与えることになった。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」