《湖月抄》(読み)こげつしょう

世界大百科事典(旧版)内の《湖月抄》の言及

【源氏物語】より

…以後,鎌倉から南北朝ごろまで河内本が優位を占め,それ以後は青表紙本がそれに取って代わるようになった。近世の流布本も青表紙本系であるが,それは河内本がかなり混入した肖柏本系の本が主で,純粋な青表紙本を重んずる立場から,現在では《湖月抄》(《源氏物語湖月抄》)のような近世流布本を敬遠して,古写本の中から善本を求めることとなり,〈大島本〉(平安博物館)などが重んぜられている。零本の類では,平安朝古写の《源氏物語絵巻》詞書や,前田家蔵定家筆の柏木・花散里両巻,定家筆本を臨模した明融本(その中の9巻)などがある。…

【源氏物語湖月抄】より

…注釈書。著者は北村季吟。60巻60冊。1673年(延宝1)成稿。季吟は箕形如庵(みのがたじよあん),松永貞徳らに師事したが,彼らの講釈のほか多くの古注を取捨しまとめて,頭注・傍注とし,付録の年立・系図などと合わせて至便であったため,整板本として版を重ね,明治・大正時代まで広く流布した。ただし本文は肖柏本系で,青表紙本としては不純なため現在ではあまり重んじられない。【今井 源衛】…

※「《湖月抄》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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