《牧歌詩集》(読み)ぼっかししゅう

世界大百科事典(旧版)内の《牧歌詩集》の言及

【テオクリトス】より

…けれども詩中の風物はコス島およびエーゲ海沿岸地方に限定されているところから,早くからコス島に移住し,生涯の大半を同地で過ごしたと推定される。出身地シラクサの王ヒエロン2世に詩人としての庇護を求めたが得られず(《牧歌詩集》16番),逆にエジプトのプトレマイオス2世から庇護が与えられたことを感謝している(同17番)ところから,当時文学活動の中心地だったアレクサンドリアにも赴いたことがあるものと考えられている。 テオクリトスの名を高め,その後に多くの愛好者と模倣者を生み出した〈牧歌〉は,都会の喧噪から離れた田園的情景の中に繰り広げられる歌好きの牧童の生活を,ときには卑俗なまでになまなましく描き出しており(《牧歌詩集》1,3~7,10,11,14番),大都会の小市民の生活の一断面を描いた作品(同2,15番)と好一対をなす〈ミモスmimos(活写劇)〉的色彩が強い。…

※「《牧歌詩集》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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