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《狂人日記》(魯迅) きょうじんにっき

世界大百科事典内の《狂人日記》(魯迅)の言及

【孔子批判】より

…〈民主と科学〉を旗じるしとする雑誌《新青年》を中心に,中国の社会と文化を改革するためには,中国の封建体制の基礎となっている家族制度とそれを支えてきた孔子の教え(儒教)を否定せねばならぬ,という認識が進歩的知識人の共通のものとなった。陳独秀は〈孔子の道と現代生活〉など多くの文章で,孔子の思想が封建的なものであって民主主義とは両立しえないと主張し,呉虞は〈儒教の害毒は洪水猛獣〉のごとくはなはだしいものだと痛烈に批判し,魯迅は,儒教は〈人が人を食う〉教えであるとのべて《狂人日記》のなかで,人を食ったことのない(儒教に毒されぬ)子供を救え,と書いた。このほか,胡適,李大釗(りたいしよう),周作人,銭玄同,易白沙,高一涵など多くの人々が儒教の打倒を論じた。…

【中国文学】より

…ついで,陳独秀が〈文学革命論〉を発表してこれに呼応し,〈国民文学〉〈写実文学〉〈社会文学〉を提唱するにおよんで,〈文学革命〉は時代の合言葉となった。文学革命に最初の実体を与えたのは,魯迅の短編《狂人日記》(1918)であった。魯迅はその作品で,強靱でひきしまった口語体の文体を創出し,〈人が人を食う〉封建的儒教秩序の欺瞞(ぎまん)性を鋭く暴き,人間解放の悲痛な叫びをあげた。…

【文学革命】より

…それは,何ひとつ社会変革をともなっていない辛亥革命後の現状に目を向け,国民の精神領域での変革,儒教的倫理道徳の革命こそ真っ先の急務であるとうたったものでもあって,これにより文学革命は用語変革運動であると同時に,儒教倫理打破という使命をも帯びることになる。その意味で魯迅の《狂人日記》(1918)は,儒教倫理に支えられた伝統社会を〈人が人を食う〉社会であると告発,文学革命の理念を最初に作品化した白話小説として特筆される。 《狂人日記》を嚆矢(こうし)として白話文学がたてつづけて発表され実績を積む一方,19年にはじまる五・四運動は全国各地に学生団体などの手になる膨大な量の白話報刊(新聞・雑誌)を出現させ,政府教育部はついに20年秋から小学低学年の国語に白話を採用せよとの通達を出す。…

【魯迅】より

…帰国後,郷里での教員生活中に迎えた辛亥革命(1911)に大きな期待を寄せるが,革命は挫折し,深い絶望を味わう。やがて教育部の一役人として北京に出た魯迅は,数年におよぶ絶望の沈黙のはてに最初の小説《狂人日記》(1918)を発表する。狂人の心理を借りて〈人が人を食う〉半封建・半植民地の現実を鋭く暴いたこの小説は,従来なかったまったく新しい近代文学の形式と内容を中国文学の世界に切り開いた。…

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