《笠翁十種曲》(読み)りゅうおうじっしゅきょく

世界大百科事典(旧版)内の《笠翁十種曲》の言及

【中国演劇】より

…しかも多くの作者たちは,結局この長編の形式を十分生かしきれず,ともすると冗長散漫な作品を生むことにもなった。こうした趨勢のなかで,とくに注目される作家が《笠翁十種曲》と呼ばれる10種の戯曲をつくった李漁である。彼は従来の曲辞偏重主義を排し,あくまでも上演されておもしろい芝居づくりを目ざして,一般通俗のレベルから戯曲本来のあるべきすがたをとらえたのだった。…

【李漁】より

…これらは彼の小説の作法に通じるものであったが,とりもなおさず高官縉紳の求めに応じて,家妾からなる自前の一座を引きつれ自作の芝居を出し物に生活の糧を求めた職業意識からくるものであったろうし,資質としてもった〈あそびの精神〉の横溢でもあった。〈中国的なバロック的発想〉と評される李漁の劇作は,その多くは杭州時代につくられ《笠翁十種曲》に収められている。また園芸,飲食などの記事の含まれる随筆《閑情偶寄》16巻のなかの5巻を占める〈詞曲部(劇作法)〉〈演習部(演出論)〉は,本格的な中国のドラマトゥルギーとして注目される。…

※「《笠翁十種曲》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android