《簠簋内伝》(読み)ほきないでん

世界大百科事典(旧版)内の《簠簋内伝》の言及

【安倍晴明】より

…著書に《占事略決》1巻があり,尊経閣文庫,京都大学に鎌倉時代書写の古写本が蔵せられている。別に,晴明撰と伝える《簠簋内伝(ほきないでん)》5巻(《続群書類従》所収)があるが,晴明の撰であるかどうかに疑わしいところがある。【早川 庄八】
[伝承と作品化]
 安倍晴明は,神秘的な超能力の持主としてその死後における各種の伝承や文芸作品に登場,活躍した。…

【陰陽道】より

… 中世に入ると武家や民間にも禁忌の思想が普及した。指南書は中国伝来のものがほとんど滅び,晴明の《占事略決》が遺存の書として最も古く,南北朝には晴明に仮託された《簠簋(ほき)内伝》がつくられ,牛頭天王(ごずてんのう)の信仰と結びついた民間陰陽書として知られた。室町初期には賀茂在方が《暦林問答集》を著した。…

【金神】より

…《中右記》の1114年(永久2)の記事に,金神を忌み方違(かたたがえ)をする習俗のあったことを記し,《本朝世紀》《百練抄》《玉海》などの文献にも同様の記事がある。南北朝時代の《簠簋(ほき)内伝》には,〈金神は,巨旦大王の精魂なり〉と説き,遊行するものとされ,金神七殺の方として,甲(きのえ)己(つちのと)の年は午未申酉(うまひつじさるとり)の方,乙(きのと)庚(かのえ)の年は辰巳戌亥(たつみいぬい)の方,丙(ひのえ)辛(かのと)の年は子丑寅卯(ねうしとらう)の方,丁(ひのと)壬(みずのえ)の年は寅卯戌亥(とらういぬい)の方,戊(つちのえ)癸(みずのと)の年は子丑申酉(ねうしさるとり)の方にいると記されている。金神の遊行する方位を犯して,土木・建築・移転・旅立ち・嫁とりなどをすると,その祟り(たたり)が7人に及び,家人の数がそれに満たない時は,隣人にも祟ると言われて忌避されていた。…

※「《簠簋内伝》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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