《美術史の基礎概念》(読み)びじゅつしのきそがいねん

世界大百科事典(旧版)内の《美術史の基礎概念》の言及

【ウェルフリン】より

…1893年J.ブルクハルトの後任としてバーゼル大学教授となり,以後ベルリン(1902),ミュンヘン(1912),チューリヒ(1924)各大学を歴任。線的なものから絵画的なものへ,閉じられた形式から開かれた形式へ等々の対概念をもって視形式Sehformenの自律的発展を論じた《美術史の基礎概念》(1915)は単に美術史のみならず,文芸学など芸術学一般にも広く影響をあたえた。しかしその理論はルネサンスからバロック期への西洋近世美術の形式発展にのみ妥当する。…

【古典主義】より

… 第2に,様式概念としての古典主義は,19世紀以降の美術史学の発展の歴史のなかで,とくにバロックとの対比において,しだいに明確な内容を与えられるようになってきた。ウェルフリンは,その《美術史の基礎概念》(1915)において,〈古典主義〉と〈バロック〉の様式上の特質を,〈線的と絵画的〉〈平面性と奥行性〉〈閉ざされた形式と開かれた形式〉〈多様性と統一性〉〈絶対的明瞭性と相対的明瞭性〉の5項の対概念によって分析,それぞれ前者を古典主義の,後者をバロックの特色であるとした。ウェルフリンはこの分析を,16世紀(古典主義)と17世紀(バロック)の建築,絵画,彫刻について行ったが,フォシヨン(《形体の生命》1934)は,それをさらに発展させて,〈アルカイク様式〉から〈古典主義様式〉を経て〈バロック様式〉へと展開していく一般的な様式発展のなかに位置づけた。…

※「《美術史の基礎概念》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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