《聾瞽指帰》(読み)ろうこしいき

世界大百科事典(旧版)内の《聾瞽指帰》の言及

【空海】より

金剛峯寺【和多 秀乗】
[空海の書]
 空海は日本書道界の祖として重視され,嵯峨天皇とともに二聖と呼ばれ,また橘逸勢を加えて三筆とも呼ばれる。世に空海筆と称されるものは数多いが,確実に彼の筆と認められるのは《風信帖》《灌頂歴名》《真言七祖像賛》《聾瞽指帰(ろうこしいき)》《金剛般若経開題》《大日経開題》《三十帖冊子》などである。《風信帖》は空海から最澄にあてた書状で三通あり,いずれも812,3年ころのもの。…

【三教指帰】より

…一説には18歳作,24歳再治ともいう。草稿本の《聾瞽(ろうこ)指帰》とは序文と末尾の十韻の詩を異にする。内容は序と上,中,下に分かれる。…

【書】より

…その頂点に三筆(嵯峨天皇,空海,橘逸勢(はやなり))が位置する。空海はその代表で,入唐以前の24歳のときの筆になる《聾瞽指帰(ろうこしいき)》は,王羲之そのままの筆法を踏襲しながらも,若さと日本的な柔和な筆触が表れており,さらに帰朝後の書状《風信帖》になると,唐風を脱した日本人としての自覚的書風を創り始めている。そして,その書道を極めようとする意欲は用筆にも及び,嵯峨天皇への狸毛筆奉献の書が伝世し,書体によって用筆を改める周到さを示しているが,入唐中は求道のかたわら各種書体の研究にも意を用い,特異な飛白や雑書体をも会得して帰国した。…

※「《聾瞽指帰》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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