世界大百科事典(旧版)内の《船行要術》の言及
【気象学】より
…日本の学問は中国からの直輸入が多く,気象もその例外ではなかったが,15世紀の室町時代になると,おもに船乗りによる経験に基づいた記述が出てくる。1456年に瀬戸内海の水軍の首領村上山城守雅房は《船行要術》を著し,天気の変化に関する経験則を多くのせている。江戸時代に入り,1767年に中西敬房が《民用晴雨便覧》を刊行し,天気の変化と,地形との関連にふれている。…
【天気俚諺】より
…その中には,〈夕焼けは晴,朝焼けは雨〉〈月や日がかさをかぶると雨〉〈北東風は天気が悪い〉〈絹雲は雨のきざし〉などという今日知られたものがだいたい入っている。また,船乗りにとって天気の変化はときには生死にかかわるので,瀬戸内海の水軍の頭領,村上雅房は,1456年(康正2)に出した《船行要術》の中に,天気に関する経験則を30あまりあげている。天気俚諺は経験則であり,各地の天気の変化の特性は,その地方の地形が大きく影響し,また季節によっても違うので,普遍性が少ない。…
※「《船行要術》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」