《草木誌》(読み)そうもくし

世界大百科事典(旧版)内の《草木誌》の言及

【サクラ(桜)】より

…○どゝにうす,図あり〉と明言している。ドドネウスRembertus Dodonaeus《草木誌Cruydt‐Boeck》(1554)は,日本へはオランダ語版1618年刊と1644年刊と2種類のものが入ってきており,一目瞭然(りようぜん),16世紀以前のオランダ(ドドネウスはライデン大学医学教授であった)に美しいサクラが咲いていた事実がわかる。1659年(万治2)3月に和蘭(オランダ)商館長ワーヘナルが幕府に献上したドドネウス《草木誌》を,小野蘭山は,江戸の医学館かどこかで手に取りたしかめたから,自信をもって〈紅毛には桜あり〉といい切ることができたのであろう。…

【博物学】より

…この時期には田村藍水,平賀源内,小野蘭山,宇田川榕菴らの学者のほか,《目八譜》の武蔵石寿,《毛介綺煥(もうかいきかん)》《昆虫胥化(しよか)図》の肥後藩主細川重賢,《雲根志》の木内石亭,木村蒹葭堂(けんかどう)などのアマチュア博物学者も活躍した。 一方,17世紀からは断片的ではあるが西洋博物学の知識も入りはじめ,中でもドドネウスの《草木誌》とヨンストンの《動物図説》は当時の本草学に大きな影響を与えた。やがて,17世紀末のケンペル,18世紀後半のツンベリー,19世紀前半のシーボルトなどの来日を機に西洋博物学が本格的に紹介されるようになる。…

※「《草木誌》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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