世界大百科事典(旧版)内の《詩人の血》の言及
【アバンギャルド】より
…日本でも衣笠貞之助が,川端康成を中心とした新感覚派のグループのシナリオによって《狂った一頁》(1926)を作り,その手法(フラッシュ・バック,二重露出等々)に飯島正は,ガンスやボルコフの作品との近似を指摘している。
[アバンギャルド映画のその後]
1930年にパトロンとして知られたド・ノアイユ子爵の援助で作られたコクトー《詩人の血》とブニュエル《黄金時代》を最後の頂点として,アバンギャルド映画はトーキーの到来とともに消滅する。トーキーの産業的条件,たとえば製作費の高騰,機材の複雑化などに世界的な不況の影響が加わり,アバンギャルドのアマチュアリズムが適応できなくなったことが主たる要因であった。…
※「《詩人の血》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」