《阿房列車》(読み)あぼうれっしゃ

世界大百科事典(旧版)内の《阿房列車》の言及

【内田百閒】より

…漱石の《夢十夜》やE.T.A.ホフマンの作に影響をうけ,存在の不安感を夢や幻想に託した小品,短編を執筆,21年以降それらを発表し,一部に注目された。《冥途》(1922),《旅順入城式》(1934)などを刊行する一方,《百鬼園随筆》(1933),同続編(1934),《阿房列車》(1952)などで,独自の随筆のジャンルを開拓した。鋭い観察ととぼけた味わいの筆致の絶妙なバランスは,近代日本の文学に類例がなく,従来の文学史では十分位置づけられているとはいい難い。…

※「《阿房列車》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」